2022年12月8日(木)に大井競馬場で開催される重賞「勝島記念(SⅡ)」の重賞展望と過去の傾向、全頭診断を紹介していきます。また今年の注目馬を最後に紹介していきます。
勝島記念のレース概要
年末に行われる東京大賞典ステップレースとして2009年から新設され、2018年からSⅢからSⅡへ格上げ。東京大賞典を目指す南関東の有力馬が揃う注目の重賞レースです。優勝馬には東京大賞典の優先出走権が与えられます。
大井ダート1800mのコースの特徴
勝島記念は大井競馬場ダート1800mで行われます。ゴールの200m手前からコーナー4つを回る外回りコース。直線も長く386mと差し・追い込み決着となりやすいコース形態です。
紛れが生じにくいことからも比較的に人気馬同士の決着になりやすいのも特徴です。
直近2開催の大井1800mの着順別人気と配当
日付 クラス | 1着馬 | 2着馬 | 3着馬 | 馬連 | 三連複 | 三連単 |
---|---|---|---|---|---|---|
2022年11月14日 B3クラス | 4人気 | 1人気 | 8人気 | 830円 | 17,130円 | 70,260円 |
2022年11月15日 C1クラス | 5人気 | 2人気 | 9人気 | 1,360円 | 9,130円 | 36,330円 |
2022年11月17日 A2B1クラス | 3人気 | 1人気 | 2人気 | 470円 | 350円 | 2,420円 |
2022年11月18日 2歳新馬 | 1人気 | 3人気 | 4人気 | 860円 | 1,370円 | 5,420円 |
2022年12月5日 B3クラス | 4人気 | 6人気 | 2人気 | 3,950円 | 3,680円 | 27,530円 |
前開催と今開催の大井ダート1800mは全部で5鞍しか番組が組まれていない。1200mや1400m、1600mに比べて開催されるレースが限られるのでサンプル数は少ないが、馬連万馬券など荒れることは少ないのが特徴です。
大井1800mは上がり最速馬を狙え
日付 クラス | 1着馬 | 2着馬 | 3着馬 |
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2022年11月14日 B3クラス | 37.6秒 (1位) | 38.2秒 (2位) | 37.6秒 (1位) |
2022年11月15日 C1クラス | 39.9秒 (2位) | 39.6秒 (1位) | 39.6秒 (1位) |
2022年11月17日 A2B1クラス | 38.2秒 (1位) | 38.4秒 (2位) | 39.7秒 (3位) |
2022年11月18日 2歳新馬 | 38.1秒 (1位) | 38.3秒 (2位) | 39.1秒 (3位) |
2022年12月5日 B3クラス | 37.2秒 (1位) | 37.6秒 (2位) | 37.7秒 (3位) |
見て頂くと分かるが、上り最速を記録した馬がすべて馬券内に入っており、さらに1着~3着馬は上がり3位以内を記録した馬が占める結果となっている。
最後までバテることなく上り最速を繰り出せた馬を中心に狙っていくことが馬券的中への近道。下級条件であれば、逃げ残りもあるが基本的に逃げ馬は軽視してもよいかもしれない。ただし、極端な差し・追い込みが決まるわけではなく好位から中団追走から脚を溜めれた馬が差してくる印象。
勝島王冠だけでなく、大井1800mで行われるレディスプレリュード、黒潮盃、羽田盃でも逃げ切った馬は極少数です。
2021年勝島王冠のレース結果
馬名 / 騎手 | 人気 | タイム/着差 | 上り | 通過順 | |
---|---|---|---|---|---|
1着 | コズミックフォース(御神本) | 2 | 1:53.1 | 38.4(1) | 8-8-7-4 |
2着 | リコーワルサー(真島) | 9 | 1:53.2 / 1/2 | 38.9 | 6-6-4-1 |
3着 | アングライフェン(松崎) | 12 | 1:53.3 / 1/2 | 38.3(2) | 10-9-10-10 |
4着 | セイカメテオポリス(矢野) | 8 | 1:53.3 / クビ | 38.5(3) | 7-7-8-8 |
5着 | トランセンデンス(森泰斗) | 4 | 1:53.3 / アタマ | 38.8 | 4-4-5-6 |
2021年の勝島王冠は道中中団を追走していた御神本騎手騎乗の2番人気コズミックフォースが差し切って優勝。2着には、3角過ぎから捲って4角先頭から押し切りを図った真島騎手騎乗の9番人気リコーワルサーが入った。そして、なんといっても3着には松崎騎手騎乗の12番人気アングライフェンが突っ込んできて三連単356,530円と波乱の決着を演出。1番人気フィアットルクスは3番手追走伸びきれず6着に敗れる。
レース展開はワークアンドラブが逃げる形になったが、ノーブルサターン、フィアットルクス、トランセンデンス、エルデュクラージュが団子状態で追走して決して楽なペースではなかった。先行した馬は最後失速して中団から差してきた馬による決着となった。
第13回勝島王冠(2021年)の優勝インタビュー(動画)
勝島王冠2022年 調教動画
勝島記念2022 調教注目馬はキタノオクトパス
ミヤギザオウ ★★★★
2週前はマイネルサブマリン(B2)に馬なりで先着、1週前・最終追い切りはアディラート(A1)と強度の強い追いきりを消化。このレースに向けての調整過程においては確実に前走以上と言えるだろう。
アランバローズ ★★★
この中間は単走で追い切られているが前走の最終追いきりよりも全体で1.1秒速く前走よりも調子を上げている印象を受ける追い切り。
カジノフォンテン ★★
この中間は単走で追い切られており馬なりでの調整。7か月ぶりの実戦で軽すぎる印象を受ける。前走かしわ記念や前々走も含めて最終追い切りは多少は追っていたので、軽めの調整が気になる。目標は先か。
キタノオクトパス ★★★★★
勝島記念出走馬の中で、一番追い切りについては良かった。最終追切は、同レースに出走するショットメーカー(A2)が強めに追われる中、終始馬なりで手応えで圧倒。時計も前走同様で調子は勝ってさらに上昇してる。
勝島王冠2022 注目馬
S評価
⑮キタノオクトパス(想定7番人気) 張田昂
最終追い切りが前走以上。父親の厩舎の馬だからかもしれないが、カジノフォンテンの主戦で長くコンビを組んできた張田騎手がキタノオクトパスに騎乗するのも心強い。大井は大井記念で経験していることから心配は無い。重賞で相手は楽ではないが、試金石の一戦に向けて調整も万全。好位からしぶとく脚を使えることもこのレースに向いている。
⑫ギガキング(想定6番人気)和田譲治
ここ3戦は中央馬との交流重賞で力試し。JBCクラシックこそ大敗したものの地方馬の中では再先着。マーキュリーC、日本テレビ杯も5着と中央馬相手を考えたら結果ほど悪くはない。ここは別定で斤量増がないのも強調材料。大井では3戦して0-0-0-3と結果は出ていないが、昨年暮れから力をつけてきており、重・不良馬場で2-1-1-1と力のいる馬場になればなるほどパフォーマンスは向上する。ここは巻き返しに期待したい。
A評価
①ミヤギザオウ(想定2番人気) 本田正重
2週前から調教の負荷が高く前走を叩いてさらに上昇している気配を感じる。3歳馬が古馬の壁に跳ね返されるケースも当然想定できるが、羽田盃のパフォーマンス通りなら太刀打ちは可能。その羽田盃も大外枠からインに潜ってイン突きで勝利。真島騎手の好判断も光ったが力が無いとできない芸当。
④タイムフライヤー(想定5番人気) 森泰斗
地方に移籍してからまだ結果は出ていないが、1800m~2000mあたりが適距離と思っている。G1・Jpn1では役不足感はあるが、この条件なら見直せる。調教も動いており中央G1馬の意地と復活に期待。
⑧リンゾウチャンネル(想定12番人気) 安東洋一
前走のサンタアニタトロフィー(重賞)は3着に敗れるも展開的にスマイルウィとアランバローズに行った行ったの競馬となってしまった。2年以上勝利から離れているがオープンや重賞でも常に差のない競馬をしている。アランバローズが引っ張る展開でハイペースになればチャンスはあると見ている。
②アランバローズ(想定1番人気) 笹川翼
東京ダービー馬がここ2戦ようやく復調気配に。前走から笹川騎手に乗り替わったが、逃げずにスマイルウィの2番手を追走。惜しくも2着に敗れたが、一旦は先頭に躍り出るかという感じで並んでからしぶとかった。この感じだと、逃げ馬が厳しい勝島王冠でも…と思わせる走り。ピンかパーだと思うので、狙うなら頭か。
③カジノフォンテン(想定3番人気) 御神本訓史
実績だけであれば間違いなくカジノフォンテン。南関東限定戦+別定で57kgは断然有利。一昨年は、勝島王冠を勝って東京大賞典(2着)のローテで来ているので、おそらく今年もそのローテが濃厚。ただし、一昨年と違うのは休み明けであること。7か月の休養明け。調教は乗り込んではいるが強い調教が無い感じなのが気になる。ここは叩き台の可能性が高いので、買っても相手までか。
中央から移籍してきたスワーヴアラミス、ライトウォーリアの2頭については、鞍上に真島騎手と矢野騎手が継続騎乗で怖いが、ライトウォーリアはこの枠から逃げるのは厳しいし、スワーヴアラミスに至っては中央のGⅡ勝ちがあり59kgの斤量となってしまったのとムラ掛けがあるので取捨が難しい。当日の気配次第で馬券に組み込むかを検討したい。
勝島王冠2022 結果
- ⑯ライトウォーリア(矢野)1:51.6
- ⑧リンゾウチャネル(安東)2
- ③カジノフォンテン(御神本)1.3/4
- ⑫ギガキング(和田)1/2
- ⑨スワーヴアラミス(真島)1/2
本命◎ギガキングでしたが、4角で遅れてしまい最後盛り返して4着。地力は見せたが、右回りよりも左回りの方が合う。対抗○キタノオクトパスは、スタートから進みが悪く10番手を追走。先行できず終始外を回ることになっただけに厳しい結果になった。A評価にしていたリンゾウチャネル、カジノフォンテンが2,3着に入ったが、勝ち馬ライトウォーリアは大外枠で、アランバローズがいる展開だと逃げれないだけに厳しいと思ったが、3番手の外をスムーズにレースを運んで4角先頭からそのまま押し切った。
埼玉栄冠賞で単勝31.6倍を当てた馬だったが枠やメンバー的に再現は難しいと思い切ってしまったのが悔やまれる。今日のメンバーは南関東同士では最上級に近いメンバー構成。ここを勝ちきったのは今後の展望が明るい。