2022年12月29日(木)に大井競馬場で開催される年の瀬の総決算「東京大賞典(G1)」。
2022年は東京大賞典4連覇中のオメガパフュームが、直前で引退し確固たる主役不在で開催される難解な一戦。
その東京大賞典の重賞展望と過去の傾向、注目馬を紹介していきます。
東京大賞典のレース概要
2011年から国際G1に格上げとなり、海外で活躍する馬の参戦も可能に。全国からダート界の猛者があつまる真のグランプリレース。
大井ダート1800mのコースの特徴
東京大賞典は大井競馬場ダート2000mで行われます。ゴールの400m手前からコーナー4つを回る外回りコース。直線も長く386mと差し・追い込み決着となりやすいコース形態です。東京大賞典、帝王賞、東京ダービー、大井記念など南関東で行われるビッグレースが開催されます。
逃げ・先行馬が揃うと1コーナーまで400m近くありペースが流れることもありますが、基本的にはスローで隊列がすんなり決まることが多い。残り1000m付近からペースが上がり、3コーナー過ぎから仕掛ける馬が出てきて持久力が問われます。
東京大賞典2022出馬表
枠順での有利不利は特に考える必要はないコース形態だが、大飛びのノットゥルノは外でスムーズに運びたいので2枠2番だと外に出すのに苦労しそうだ。できれば外枠に入りたかった。
過去10年の枠番別成績
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 1 |
2枠 | 0 | 1 | 1 |
3枠 | 2 | 0 | 2 |
4枠 | 2 | 3 | 1 |
5枠 | 2 | 1 | 1 |
6枠 | 2 | 0 | 2 |
7枠 | 2 | 4 | 1 |
8枠 | 0 | 1 | 1 |
勝ち馬は4枠~7枠から出ている。1枠と8枠の成績が良くない。特に4枠と7枠は好成績をおさめている。4枠は人気馬が多いが、穴で狙うなら7枠か。
過去10年の7枠で馬券内に来た馬
- 2021年:7枠12番クリンチャー(3人気5.7倍)2着
- 2020年:7枠14番カジノフォンテン(9人気38.3倍)2着
- 2019年:7枠10番ノンコノユメ(5人気29.8倍)2着
- 2018年:7枠13番ゴールドドリーム(1人気2.2倍)2着
- 2017年:7枠13番コパノリッキー(3人気4.7倍)1着
- 2016年:アポロケンタッキー(5人気16.3倍)1着
- 2014年:7枠13番サミットストーン(8人気63.9倍)3着
ご覧のように過去10年で7回馬券内に来ている7枠。特筆すべきは、人気馬の好走ではなく人気薄の激走馬は7枠から出ている。今年は、ミヤギザオウ(想定11人気)とアトミックフォース(想定10人気)と地方所属馬の人気薄2頭が7枠に入った。また馬番13番は過去10年で[1-2-1-6]と好成績をおさめているのも注目。
東京大賞典2022の調教動画
好調教馬
ライトウォーリア
外厩での調整は前走と同様。ペイズンストリート(B2 強め)と併せて馬なりで先着。好調をキープしており力は出せる仕上がり。
サンライズホープ
栗東坂路で一杯に追われる。推進力のある走りで前走よりも4Fは2秒速く出来は前走以上にも思える。
ミヤギザオウ
サページ(2歳 一杯)と一杯に併せて0.3秒先着。勝島王冠時も動きは良かったが、今回の方がより動きに迫力が出た印象。休み明けを2度叩いて叩き型通り調子を上げてきている。
東京大賞典2022の注目馬
S評価
サンライズホープ(想定3人気)
砂を被りたくないだけに外目の枠を引き当てたのはこの馬にとってはプラス。ここ2走は後ろからの競馬が続いているが、むしろ上りが堅実でこれまでの先行していたイメージとは一新。2走前のように馬群を捌いてくることもできるのは心強い。調教も出走馬の中ではひと際目立っているだけに秋4戦目だが状態は好調をキープしている。ここはこれまで走ってきた強いメンバーが抜けたとなれば勝機到来。
レッドガラン(想定9人気)
芝からダートに変更して2戦目。ダート初戦がいきなりチャンピオンズCでは厳しかったが、強敵相手に勝ち馬と1.0秒差なら着順ほどダート適性が無いとは言い難い。その前走は、勝ち馬ジュンライトボルト以外は、上り0.5秒以内に12頭と道中の位置取りで着順が上下した結果。今年、芝レースだが中央の重賞を2勝。スピードの切れで勝負するタイプではなく上りがかかるタフな流れでこそ力を発揮するタイプ。この時期の重たい大井の馬場は向いている可能性がある。今年のメンバーでは激走もありえる。
A評価
メイショウハリオ(想定2人気)
今年の帝王賞の勝ち馬。帝王賞と東京大賞典は同じ大井2000mで開催されるが結果が結びつきづらい。これは単純にオメガパフュームの成績だけで片付けられるかもしれないが、春先はスピードが求められ、冬のこの時期はパワーと持続力が求められるので、帝王賞と東京大賞典は求められる適性が若干違うことも理由。メイショウハリオに関しては、軽い馬場・重い馬場どちらも走れる馬。休み明けも走るだけに前走のJBCクラシック5着は物足りなさは残るが、叩いてここを目標というのが既定路線だったことからも調子落ちは考えられない。メンバーもJBCクラシックよりも落ちるここは是が非でも勝ちにいきたいところ。
ショウナンナデシコ(想定5人気)
秋3戦牝馬限定重賞で連続3着と春先の勢いが感じられないのは事実。ただし、この敗因としては個人的に明確になっており、すべてはテリオスベルの存在が敗因。テリオスベルが道中でペースを落ち着かせたいところで捲るなどしてリズムを崩されている。結果、ショウナンナデシコには不向きな流れに。今回、捲りを見せそうな馬としては見当たらないので、不向きな展開にはならないのではないかと予想。道中までゆったりと流れて、残り800m付近からレースが動くようであれば先行しているショウナンナデシコにとっては向く。かしわ記念で、強力な牡馬勢を破っているし砂の深い船橋で勝った事実は見逃せない。秋4戦目で上積みこそないとは思うが、パドックの気配次第では狙いたい。
カジノフォンテン(想定8人気)
2021年の川崎記念・かしわ記念の勝ち馬で、2020年は東京大賞典ではオメガパフュームとタイム差無しの2着。実績だけなら間違いなくメンバー上位。ただし、1年半勝ち星からは遠ざかっており近走は全盛期の勢いが無いのは事実。今回は、休み明け2戦目。ペースも前走同様にライトウォーリアもしくはアトミックフォースが逃げる展開になりスローにはならないと予想。ペースが流れれば、持久力勝負となりカジノフォンテンにも勝機があると見ている。